Monday, June 20, 2011

Koudelka「プラハ1968」と世界報道写真展2011

本日は東京都写真美術館で現在公開中のヨセフ・クーデルカ「プラハ1968」展とWorld Press Photo 2011展を鑑賞してきた。 クーデルカ展でまず感じたのがフィルムと銀塩ならではの味わい深いモノクロプリント。 すっかりデジタルに浸ってしまい、フィルムと銀塩のもたらす粒子と美しいトーンを忘れていたことに気づきました。 おかしなことに30年前はいかに粒子を細かく、見えないようにしようかとPanatomic-XやAccufineなどの現像液を使って必死でした。 そして今回の写真を観ながら昔好んで使用していたAGFA Broviraという印画紙を思い出しました。 このペーパーの4号あたりを使うと今回のようなトーンの写真が焼けました。 モノクロプリントを作るという環境は昔のほうが恵まれていたんだなあとつくづく感じました。 しかし会場で天井までの壁いっぱいに引き伸ばされた大型プリントはデジタルスキャニングでないとできない技でもありました。 クーデルカ展はそういう意味ではフィルムとデジタルの両方をうまく使用していたと思います。 43年前に起きた事件でこれほどたくさんの強い写真を撮られたクーデルカ氏は改めて凄い写真家だなあと思うとともにこれらの作品は報道写真の金字塔とも言われる所以がわかります。
クーデルカ展を観た直後に世界報道写真展を観たせいか、ひじょうにデジタルだなあという印象を受けました。 時代の流れでべつに悪いことではないけどフィルム時代では見えなかったところまで見えすぎてしまうことに違和感を少々感じた。 特にフォトショップで後処理を施したものは報道写真とは言えないと思った。